2020年2月24日(月)
「首相夫妻と撮影」認める
マルチ元社長、弁護士通じ本紙に回答
桜見る会・前夜祭「参加をしたかも」
2017年に特定商取引法違反で消費者庁から取引停止命令を受けたマルチ商法業者「48(よつば)ホールディングス」(札幌市)の社長だった淡路明人氏ら同社幹部が過去に安倍晋三首相や妻の昭恵氏と会い、写真撮影をしたことがあると認めました。本紙の取材に対し、淡路氏が弁護士を通じて回答しました。(取材班)
同社は当時、「クローバーコイン」と称する仮想通貨を販売。消費者庁の発表(17年)によると、勧誘者が値上がりの見通しもないのに「1カ月半後には10倍に値上がりする」などと告げて会員を集めていました。
本紙が入手した淡路氏や同社取締役だった中田義弘氏が安倍首相と並んだ写真(16日付1面)は、関門海峡花火大会が開催された16年8月13日に山口県下関市で撮影されたとみられます。中田氏が昭恵氏と並んだ写真もありました。
淡路氏と中田氏は同年4月の首相主催「桜を見る会」にも参加していたとみられ、会場で中田氏が菅義偉官房長官と並んだ写真もあります。
淡路氏は、首相夫妻との関係について「一緒に写真を撮影したことがあるだけの関係にすぎず、会話らしい会話をしたこともなければ、知り合いですらない」としています。
ただ同社の勧誘を受けた男性によると、これらの写真は会員である知人に見せられたもので「安倍さんや菅さんとツーショットを撮れるような立派な人がクローバーをやっている」「この写真を見せればみんなクローバーに入ってくる」と語っていたといいます。
「桜を見る会」と安倍晋三後援会「桜を見る会前夜祭」に関しては、「定かな記憶はないものの知人を介して参加したかもしれない」と答えました。
安倍首相は、自身や昭恵氏が同社幹部と知り合った経緯や「桜を見る会」に招待した理由の説明責任が問われます。