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2020年2月22日(土)

戦時の日系人収容謝罪

米カリフォルニア州 下院で全会一致

“自由への攻撃を繰り返すな”

 【ワシントン=池田晋】米カリフォルニア州議会の下院本会議は20日、第2次世界大戦中に12万人以上におよぶ日系人を排斥、強制収容した過去の行いについて、公式に「謝罪する」決議案を全会一致で可決しました。連邦政府はレーガン大統領の下で1988年に謝罪、賠償しており、トランプ政権が特定の移民を敵視するなか、地方議会が警鐘を鳴らしたかたちです。


 決議には、トランプ現政権による親子引き離しなどの排他的移民政策を念頭に、「このような自由に対する攻撃を二度と繰り返さないため、過去の過ちから学ぶことがいっそう重要」とする一文が盛り込まれました。

 日本の真珠湾攻撃後の42年2月19日、フランクリン・ルーズベルト大統領による大統領令の下で、カリフォルニア州など西海岸の日系人は安全保障上の脅威とみなされ、一方的に住まいを追われ、砂漠などに設置された10カ所の強制収容所へ収監。うち2カ所は同州に置かれていました。

 決議提案の中心となった日系3世のアル・ムラツチ議員(民主党)は、2001年の対テロ戦争以来、イスラム系を脅威とみなす風潮が広がっていると米メディアに指摘。「大戦中に日系人に起きたことと、現在起きていることには著しい類似点がある」と移民敵視を批判しました。

 同州のニューソム知事は大統領令から78年を迎えた19日を「追憶の日」とする布告の中で、強制収容は「国家としての最も神聖な価値に対する背信行為であり、決して繰り返してはならない」と述べました。


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