2020年2月16日(日)
陸自の水陸機動団 沖縄で米と初の共同訓練
「遠征打撃群」へ 進む一体化
「日本版海兵隊」ともいわれる陸上自衛隊の水陸機動団が1月25日から2月13日まで、金武ブルービーチ(沖縄県金武町)を中心に、米海軍・海兵隊とともに水陸両用訓練を実施しました。2018年3月に発足した水陸機動団が沖縄県内で日米共同訓練を行うのは初めて。日米の軍事一体化が加速しています。
米海兵隊によれば、水陸機動団は、最新鋭の強襲揚陸艦アメリカを中心とした強襲揚陸艦隊と、在沖縄海兵隊の主力である第31海兵遠征隊(31MEU)で構成される「アメリカ遠征打撃群(ESG)」に初めて参加。小型ボートによる上陸、地上の確保・制圧、エアクッション型揚陸艇(LCAC)での最新鋭の高機動ロケット砲システム(HIMARS)の輸送・展開などが行われました。また、第1ヘリコプター団も参加し、米艦船からの発着艦訓練も行われました。
防衛省は「いずも」型護衛艦を改修し、F35Bステルス戦闘機の運用を可能にする「空母」化計画を進めています。加えて、水陸機動団を乗船させ、米軍と一体になって東シナ海や南シナ海に遠征する「日本版遠征打撃群」の構成も視野に入れています。今回の共同訓練は、その地ならしともいえます。
陸自と米海兵隊は今年に入って相次いで共同訓練を実施(表)。海兵隊のMV22オスプレイの参加も常態化しており、「沖縄の負担軽減」を口実にした全国の基地強化と軍事一体化の加速です。
トランプ米政権について、「同盟軽視」との見方もありますが、米国防総省は21年度予算要望書の最重要4項目の2番目に「同盟強化」を掲げています。その目的は「中国とロシアとの競争」であると明記。日本については、(1)米国の国家防衛戦略(NDS)と日本の防衛大綱との「統合」(2)即応体制と訓練を増加しながら、(日米の)役割・任務・能力を再評価する―としています。
中国・ロシアとの覇権争いに日本を動員するために、共同訓練を拡大・強化するという狙いが鮮明に示されています。
■今年に入っての陸自と海兵隊の共同訓練
1・5~2・27 アイアン・フィスト20 キャンプ・ペンドルトン(米カリフォルニア州)
1・18~30 フォレスト・ライトMA 大矢野原演習場、霧島演習場など
1・22~2・8 ノーザン・バイパー 北海道演習場、矢臼別演習場など