2020年2月6日(木)
軍拡で「偉大な米国」強調
トランプ氏 司令官殺害を正当化
一般教書演説
【ワシントン=池田晋】トランプ米大統領は4日、上下両院合同会議で「偉大な米国の復活」と題した一般教書演説を行い、米国の経済と軍事力はかつてなく高い水準にあるなどとして、今年11月の大統領選での再選に向け、3年間の内政・外交の「成果」を支持層に誇りました。同氏の一般教書演説は就任後3回目ですが、今年は上院で自らの疑惑をめぐる弾劾裁判が進む中での異例の演説となりました。
トランプ氏は、戦争の危機を招いた国連憲章違反のイラン司令官殺害について、根拠を示さず「(米国へ)新たな攻撃を計画していた」と改めて正当化。同司令官を「世界のトップのテロリスト」と呼んで殺害を自賛。「米市民を攻撃すれば、お前の命はなくなる」とイランに警告を発しました。
また、米軍に2・2兆ドル(約240兆円)を投じ「軍は完全に再建された」と述べ、宇宙軍創設などの軍拡措置を自賛。「われわれはついに同盟国に公平な負担を払うよう状況を改善させている」とも述べ、北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧州諸国の軍事負担拡大を外交成果として誇りました。
政情不安が続くベネズエラをめぐっては、暫定大統領と宣言したグアイド国会議長を議場に招待し、「正統な大統領」と紹介。ベネズエラのマドゥロ政権「打倒」に加え、キューバ、ニカラグアでの「民主主義回復」を呼び掛けました。
アフガニスタンの米軍駐留では、「米史上最も長い戦争を終わらせるべく取り組んでいる」と言及。北朝鮮の核問題には触れませんでした。