2020年2月5日(水)
公益通報者守る 法改正を
日弁連集会 報復に罰則規定必要
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「通報者が守られ、消費者の権利が守られる実効性ある保護法の改正を」―。今国会で改正案の提出が予定されている公益通報者保護法を実効性あるものにしようと4日、日本弁護士連合会による国会内集会が行われました。
同保護法は2006年に施行されました。しかし、組織内の不祥事を通報したものの窓口で適切な対応を受けられず、通報者の情報が漏えいされて、組織から報復されるなど多くの問題が起きています。
集会では、金沢大学准教授の小川和宏さんが報告。自身が上司の教授による不正経理を通報したところ、長年にわたり激しい嫌がらせを受け、裁判など多くの負担を強いられてきた体験を挙げ、「法律に懲罰的賠償の規定がないので、嫌がらせや不利益人事などが『やり得』という構造。違反には刑事罰および行政罰を」と改正への提案をしました。
志水芙美代弁護士は、公益通報者保護法があるにもかかわらず不祥事が起きたケースを実例から紹介しました。融資不正が明るみに出たスルガ銀行では社員約4000人のうち198人が「通報しようと思ったがやめた」とアンケートに回答していたといいます。その理由として、匿名性への信頼がなく「報復を受けると思った」などと回答していたと紹介しました。
無資格者による完成検査が問題になった日産でのアンケートでも、同様な結果だったと述べました。
拝師徳彦弁護士は「各党内でかなり踏み込んだ議論が行われているが、通報者に対する不利益取り扱いを行った者への行政処分や刑事罰導入が課題として残っている。われわれが当初から訴え続けてきたことだ」とのべました。
集会には与野党の国会議員や秘書が参加し、日本共産党からは畑野君枝衆院議員の秘書が参加しました。