2020年2月3日(月)
「軍は住民守らない」
沖縄 少年兵と戦争 考えるシンポ
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太平洋戦争末期の沖縄戦では、旧日本軍が組織した少年兵部隊「護郷(ごきょう)隊」も戦場に投入され、多数の犠牲を出しました。子どもさえも殺し合いに加担させる戦争について改めて考えるシンポジウムが2日、沖縄県恩納村で開かれました。
元隊員の宮城清助さん(92)は、先輩が誇らしそうにしているのを見て入隊。しかし待っていたのは体罰や暴力という、「軍人としてのカタにはめる」ための“訓練”でした。「自分たちはだまされていた。軍隊は住民を守らない。これが(沖縄戦の)一番の教訓」と述べました。
「地獄の中を生き延びた」と語る元隊員の瑞慶山良光(ずけやま・りょうこう)さん(91)は戦後、戦時の記憶が突然思い出される「戦争恐怖症」に苦しみました。「基地があるからこそ戦(いくさ)になる。絶対に沖縄に造らせてはいけない」と語りました。
名護市教育委員会文化課市史編さん係の川満彰さんは、旧日本軍にとって「国体(天皇絶対の体制)護持」がすべてだったなどと述べ、「護郷隊」がつくられた背景を説明しました。
東京都から参加した女性(37)は「軍隊は住民を守らないということは明らか。みんなが、それがどういうことなのかを考えていかないといけない」と、平和学習の意義を語りました。