2020年2月2日(日)
ボルトン氏証人尋問否決
米弾劾裁判 トランプ氏評決へ
【ワシントン=池田晋】米上院が開いているトランプ大統領の弾劾裁判は1月31日、焦点となっていたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)らの証人尋問を行うかどうかの動議を採決し、反対多数で否決しました。これにより弾劾裁判は実質審理を終え、トランプ氏は5日に与党・共和党多数の上院から「無罪」評決を得る見通しとなりました。
トランプ氏が今秋の大統領選に向け政敵の民主党候補に不利な情報を得ようとした「ウクライナ疑惑」で、情報を得るべくトランプ氏本人がウクライナ政府に圧力をかけていたと主張する、当時の側近ボルトン氏の証人尋問は、裁判の最大の焦点になっていました。
ボルトン氏は証人尋問に応じる考えを示してきましたが、26日には同氏が近く出版の自著で、トランプ氏がウクライナへの軍事支援と引き換えに政敵調査を迫っていたと暴露していることを米紙が報道。トランプ氏の主張と矛盾するため、民主党は共和党議員の一部からも賛成を得て証人尋問を実現すべく攻勢を強めていました。
採決結果は、賛成49、反対51で、共和党からの賛成は2議員にとどまりました。
民主党上院トップのシューマー院内総務は採決後、新たな証人も証拠も求めないまま終える裁判は「真の裁判ではない」とし、「米国はこの日を記憶するだろう。上院が責務を放棄し、真実から目を背け、偽りの裁判に身を委ねた日として」と語りました。
トランプ氏は同日、ツイッター上にボルトン氏の動画と一緒に「試合終了だ!」と勝ち誇った発言を投稿。弾劾裁判は「米議会史上最も不公正な魔女狩りだ」などと民主党を改めて非難しました。