2020年2月2日(日)
英国がEU離脱
加盟国史上初 交渉などに課題
【ロンドン=伊藤寿庸】英国が1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)、欧州連合(EU)から正式に離脱しました。2016年6月の国民投票で離脱支持が多数となって以来国論を二分してきた問題に最初の区切りがつくことになりますが、今後のEUとの交渉など多くの課題が残されています。
英国は、1973年にEUの前身、欧州共同体(EC)に加入して以来47年間の加盟国としての地位に終止符を打ちました。第2次世界大戦の直後から約70年間にわたって、地理的拡大と統合の深化を進めてきたEUの歴史の中で加盟国が離脱するのは初めて。
ジョンソン首相は離脱の1時間前にテレビ演説で「夜が明け、新たな幕が上がる瞬間だ」と述べ、「取り戻した主権を行使し、国民が投票で求めた変化を実現する」と約束しました。他方で、「国を団結させ、前進させることが政府の任務だ」と述べ、EU残留を求めた国民にも配慮を示しました。
野党労働党のコービン党首は、「内向き」にならず、「真に国際主義的で、多様性を持ち、外に開かれた英国」を目指そうと呼びかけました。
ブリュッセルのEU本部や欧州議会前ではこの日、英国旗が降ろされました。フォンデアライエン欧州委員長らEUの3機関の長は連名で新聞に寄稿し、「英国の離脱は深く遺憾に思うが、全面的に尊重する」と表明。加盟国の団結を強めていくことを誓いました。(関連記事)