2020年1月29日(水)
歴史的犯罪 真実を守る
アウシュビッツ収容所跡 解放記念式典
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【ベルリン=伊藤寿庸】ポーランド南部オシフィエンチムにあるナチスドイツのアウシュビッツ強制収容所が解放されてから75年となる27日、同収容所跡地で記念式典が行われ、200人以上の生存者と61の国・国際組織の代表団が出席しました。
ポーランドのドゥダ大統領は、ナチスの絶滅収容所とされた同地で130万人が殺害され、うち110万人がユダヤ人だった事実に触れながら、「ホロコースト(ユダヤ人虐殺)は、歴史上類のない犯罪だった」と指摘。「記憶をはぐくみ、真実を守る責任を果たしていく」と述べました。
生存者3人が証言。ポーランド生まれのユダヤ人バシェバ・ダガンさん(94)は、「この歴史を子どもたちにできるだけ早く教えなければならない」と訴えました。母がシンティ・ロマ人だったことで、8歳の時に同収容所に送られたエルザ・ベーカーさんは、失明のため代読されたメッセージの中で「少数派が再び攻撃されている今、みなが民主主義と人権のために立ち上がってほしい」と呼びかけました。
ドイツ占領下のポーランドで、1940年に建設されたアウシュビッツ強制収容所は、当初ポーランド人の反体制派を収容。その後、ナチスによる欧州のユダヤ人の最大の絶滅センターとなり、ガス室での大量虐殺と遺体の焼却が行われました。1945年1月27日、ソ連軍によって解放されました。
式典には、ドイツのシュタインマイヤー大統領、イスラエルのリブリン大統領なども出席しました。