2020年1月23日(木)
主張
代表質問首相答弁
あまりに不誠実な開き直りだ
通常国会での安倍晋三首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党の代表質問が衆院本会議で始まりました。施政方針演説で自らが関わった「桜を見る会」疑惑や目玉政策にしてきたカジノをめぐる汚職事件に一言も触れなかった安倍首相は、代表質問への答弁でもまともに説明せず、開き直りに終始しました。政治を私物化した疑惑や汚職事件の真相を主権者・国民と国会の前に明らかにしなければ、日本の民主主義の土台は崩れます。今後の代表質問や予算委員会の論戦で徹底追及し安倍政権に引導を渡すことが必要です。
「総理等」が半数以上
政府主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑は、安倍首相らが、自らの地元後援会員や知人を大量に招待し、税金を使って飲ませ食わせしていたという、公職選挙法違反の疑いがもたれている問題です。首相の推薦枠で、悪徳商法で被害を出した人物まで招かれていたことが濃厚になっています。しかもその招待者名簿を廃棄したり隠したりして、国民共有の知的資源である公文書の管理をめぐる法律違反も明らかになっています。
野党の結束した追及によって、内閣府は代表質問前日になってようやく2019年まで過去6年間の招待者の具体的な内訳を公表しました。私物化疑惑が浮上した19年の招待者数は1万5420人で、そのうち「総理大臣等」による招待は8894人と半数以上になっています。最近5年間で増えた招待者数の大半は安倍首相や与党の推薦者で、「政治枠」の膨張が全体の招待者数を押し上げた実態が裏付けられています。安倍首相には、毎年の「桜を見る会」の前夜に、後援会員をホテルで接待していた公選法違反の買収や政治資金規正法違反の疑いもあります。
首相は、代表質問への答弁でも、「桜を見る会」への招待は「最終的には内閣官房、内閣府が取りまとめていた」などというだけで、安倍政権になって招待者が急増していることも説明しません。前夜祭が公選法違反ではないかという追及にも、「ホテルが設定した価格で各自が支払った」としか答えません。疑惑解明に背を向け開き直り続ける安倍首相に、もはや政治を任せるわけにはいきません。
安倍首相には、「森友・加計」疑惑や、自ら任命した閣僚の「政治とカネ」に関わる疑惑による辞任、「成長戦略」の柱にしてきたカジノをめぐる元担当副大臣の汚職事件など、国民と国会に説明すべき数々の問題があります。首相はカジノ汚職事件について代表質問への答弁でも、「誠に遺憾」というだけで、「捜査上の支障」を口実に答弁をしません。閣僚辞任についても答えません。任命責任を認めるなら、少なくともそれぞれの元閣僚や元副大臣らに、国会の場で説明させるべきです。
一日も早く退陣を
安倍首相は、疑惑についてはまともに説明しない不誠実な態度をとる一方、売り物として持ち出している政策は詳しく語り、改憲については憲法審査会での議論を重ねることが国会議員の責任だなどと、持論を得々と答弁しました。
疑惑の説明責任は果たさず、消費税増税や社会保障改悪で国民を苦しめ、「戦争する国」づくりや改憲に固執する安倍首相を、一日も早く退陣させる時です。