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2020年1月16日(木)

EU環境政策に122兆円

50年、温室ガス「ゼロ」へ

「孫世代の利益のため」

 欧州連合(EU)欧州委員会は14日、今後10年で気候変動対策などの環境政策に官民で少なくとも1兆ユーロ(約122兆円)を投じる計画を発表しました。ロイター通信が報じました。欧州委のヨハネス・ハーン委員は同通信に、「気候変動の破滅的事態を防ぐため」の投資だと強調。「孫世代の将来の利益のため」の行動だと訴えました。


 1兆ユーロを投じるのは「持続可能な欧州投資計画」です。同計画は、昨年12月に就任したフォンデアライエン欧州委員長が主要政策と位置付ける「欧州グリーンニューディール」の一環。加盟国が石炭火力発電依存から脱却するのを支援し、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標の実現を目指します。

 欧州委によれば、1兆ユーロの約半額はEU長期予算から拠出。加盟各国政府から1000億ユーロ以上の共同出資を引き出します。

 また、民間資金から約3000億ユーロを集めます。ポーランドなど石炭火力に依存する加盟国向けの対策資金として、公正移行基金(JTF)が残り1000億ユーロを投資します。

 EUは、域内の競争条件をゆがめる恐れのある国家補助を原則禁じた規制を年末までに見直す予定です。各国政府は再生可能エネルギーや、鉱山の閉鎖で解雇された労働者への支援などをすることができるようになります。

 昨年12月のEU首脳会議でポーランドを除く各加盟国は、気候変動を抑制するため50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると合意。ポーランドは発電を石炭火力に頼っているため、目標を拒否していました。ハーン氏は、同国が目標を共有するために「十分な投資額だろう」と述べました。


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