2020年1月15日(水)
「桜」首相を刑事告発
上脇教授ら 「予算超過で損害」
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「桜を見る会」疑惑をめぐり、安倍晋三首相が自身らのために同会の招待者数を増やし、国に総計1億5千万円以上の損害を与えたとして14日、上脇博之神戸学院大学教授ら13人が首相を背任の疑いで東京地検に告発状を提出しました。
桜を見る会は首相主催の公的行事。第2次安倍政権発足後の2013年以降は毎年、東京・新宿御苑で実施しています。
告発状は、首相は本来、内閣府などが定める同会の開催要領に従い歳出予算額を守る義務を負っていたと指摘。にもかかわらず、従来1万人前後だった同会の参加者が毎年増加し、19年は1万8200人になったと述べました。その結果、予算の3倍を超える5518万7千円(同年)が支出されたなどとしました。
また告発状は首相側が、桜を見る会と後援会行事である「あべ晋三後援会主催前日夕食会」の開催をセットで位置付けており、完全に一体化していたと批判。日本共産党の宮本徹衆院議員が提出要求した19年5月9日に、内閣府が招待者名簿を廃棄したことにも触れました。
この上で告発状は、「総理大臣としての職権を乱用して国政を私物化した弾劾されるべき行為だ」と強調。「忖度(そんたく)にまみれた安倍内閣のモラルハザードを一掃するには捜査権限発動が不可欠」と訴えました。
同日、都内の司法記者クラブで会見した上脇氏は「法令順守義務を負う総理大臣が国の予算を、自らの政治団体の利益のために私物化した。見過ごすわけにはいかない。『桜を見る会』の中止だけでは改善にならない」と批判しました。