2020年1月8日(水)
米イラン緊迫化 「予測不能な結果招く」
国連総長 各国に事態悪化阻止要求
【ワシントン=池田晋】国連のグテレス事務総長は6日、米政権のイラン司令官殺害による米・イラン関係の緊迫化を念頭に、「煮えたぎる緊張関係のため、ますます多くの国が予想外の決定を行い、予測不能な結果と、誤算という深刻な危険を招いている」と述べました。国連本部内で記者団に語りました。
グテレス氏は2020年が世界の混乱とともに幕を開け、「地政学的な緊張は今世紀で最高レベルにある」と指摘。各国の指導者に対し、▽事態悪化の阻止▽最大限の自制▽対話の再開▽新たな国際協力の模索―を求めました。
さらに「貿易や技術開発をめぐる紛争も世界の市場をつまずかせ、成長を損ない、格差を広げている」と表明。米中貿易紛争などが世界経済に与える影響に懸念を示しました。
また、危機的な状況に追い込まれつつあるイラン核合意の履行や、先行きがみえない北朝鮮情勢を念頭に、「核不拡散さえ、おろそかにできなくなっている」と危機感を表明。ことにアフリカで社会不安や過激主義、国家主義が伸長していると指摘するとともに、「気候危機が勢いを増している」として、一刻も早い取り組みが必要だと強調しました。