戦争の道に懸念の声

イランが軍事報復警告　イラクも侵略と米批判

　【カイロ＝秋山豊】イランのラバンチ国連大使は３日、米ＣＮＮテレビとのインタビューで、米国の空爆による革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官殺害について、「軍事行動への対応は軍事行動だ」などと述べ、軍事的報復を警告しました。

　ラバンチ氏はこの日、グテレス国連事務総長と国連安保理議長あての書簡で、イランは国際法のもとで自衛権を有しているとも述べました。

　ロイター通信によると、イランのロウハニ大統領は３日、「間違いなく、イランは彼（ソレイマニ氏）の復讐を行う」と述べました。イランメディアによると、国防と外交を統括する最高安全保障委員会（ＳＮＳＣ）も「犯罪者らは、ふさわしい時と場所で最も強い報復に直面するだろう」との声明を出しました。

　この日、首都テヘランや司令官の故郷ケルマンなど各地で追悼集会と、米国への抗議デモが起こりました。参加者は、司令官の写真や、「米国に死を」と書いたプラカードなどを持って、殺害に対する怒りを示しました。

　米国がイラクの首都バグダッドで実施した空爆では、同司令官とともに、イラクの民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」の指導者も殺害されました。

　イラクメディアによると、イラクの国家安全保障会議は声明を発表し、「イラクの主権の侵害を非難し、米軍が駐留する条件と任務に反する侵略を拒否する」と表明しました。

　国営シリア・アラブ通信によると、シリア外務省筋は「裏切りの攻撃」と非難し、イラン、イラク両国への連帯を表明しました。

　ロイター通信によると、イランを後ろ盾とするレバノンの民兵組織ヒズボラと、パレスチナのイスラム組織ハマスも「大罪」などと批判しています。