2020年1月5日(日)
米国を世界が批判
イラン司令官殺害 国連総長も懸念
米国がトランプ大統領の指示でイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を2日に殺害したことをめぐり、世界各国から批判が相次いでいます。
国連のグテレス事務総長は3日、報道官を通じて発表した声明で、事態の激化に「深い懸念」を表明。「各国指導者は最大限の自制をすべき時だ。世界には、新たな湾岸戦争に対応する余裕などない」と警告しました。
超法規的・恣意(しい)的処刑問題を専門とするアニェス・カラマール国連特別報告者は同日、ツイッターで米国による空爆の国際法上の合法性に疑問を呈し、国連がより強力に介入する手段を活用するよう要請。「今ほど国連とその指導性の強化が現実に求められているときはない」と語りました。
ジョゼップ・ボレルEU外相はツイッターで「制御不能になる前に、現在の暴力の連鎖を止める必要がある」と強調。関係各国は「最大限の自制と、責任を示すべきだ」と呼び掛けました。
米国の野党・民主党からも「新たな破滅的戦争にわれわれを導く」(バーニー・サンダース上院議員)、「中東における新たな衝突や、より多くの死者を出す可能性を増大させる」(エリザベス・ウォーレン上院議員)などと批判が相次いでいます。
英BBCによれば、イランのザリフ外相は国営テレビに出演し、米軍の攻撃は「明確なテロ行為」だと指摘。ロイター通信には「米国の責任を問うため、国際的なレベルでさまざまな法的措置を取る」と表明しました。