2019年12月24日(火)
ウイグル族に連帯 香港で初支援集会
“自由をすべての人に”
香港中心部の公園で22日、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族の人権を支援するよう求める集会が行われました。ウイグル族に対する中国当局の弾圧に国際的な批判が高まり、民主化を求める運動も続く中、同族との連帯を呼び掛ける集会は初めてといいます。
現地からの報道によると、約1000人が香港島の公園を埋め尽くしました。「ウイグルに自由を、香港に自由を」などと書かれたプラカードが掲げられました。
主催者は、壇上に「今日の新疆は、明日の香港だ。イリハム・トフティを解放せよ」との横断幕を掲げました。トフティ氏は、新疆で2014年に「国家分裂主義者」とされ、中国当局に収監されている経済学者。欧州連合(EU)欧州議会はこのほど、人権や自由を擁護する優れた活動をたたえるサハロフ賞を同氏に授与しています。
新疆でのウイグル族への人権侵害について人権団体は、2017年以来、少なくとも100万人が強制収容されていると指摘。「テロ対策」を口実に「職業訓練」を行い、ウイグルの伝統や価値観を奪っています。
夫とともに集会に参加した女性(41)はロイター通信に、「香港のためだけでなく、すべての人のために基本的な自由と独立はあるはずだ」と語りました。
集会は平和裏に行われましたが、会場近くに設置されていた中国の国旗を何者かが引きずりおろしたことから、数十人の警察隊が会場に突入して、一部の参加者にペッパースプレーなどを噴射。参加者との衝突で、ピストルの銃口を集会参加者に向ける警官の姿を香港メディアが伝えました。
香港政府の報道官は同日夜、声明を出し、一部の集会参加者を非難。「香港独立の旗を掲げ、独立の主張をし、国旗を引きずりおろした。これらの行為を厳しく糾弾し、法を破った者たちは刑事責任に問われる」と述べました。