2019年12月18日(水)
習主席、香港警察を支持
林鄭長官と会談 区議選の民意に背
【北京=釘丸晶】中国の習近平国家主席は16日、北京で香港政府の林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官と会談しました。中国メディアによると、習主席は「香港政府の法にのっとった施政と香港警察の厳正な法執行を断固支持する」と述べ、デモ隊の強権的弾圧を続ける香港政府と警察への支持を表明。民主派が圧勝した香港区議選(11月24日)で示された民意に応える姿勢は見られませんでした。
会談で習氏は、今年の香港情勢について「(1997年の)香港返還後、最も厳しく複雑な1年だった」と指摘。林鄭氏に対し、「香港の非常時に示した勇気と取り組みを十分に評価する」と述べました。
林鄭氏は習主席との会談に先立ち、李克強首相とも会談。李首相は「香港はまだ困難を脱していない」とし、「引き続き法にのっとって暴力と混乱を止め、秩序の回復に努力してほしい」と香港政府に求めました。
林鄭長官は、毎年行う香港情勢の定例報告で北京を訪問。香港で逃亡犯条例改定案への反対をきっかけに大規模な抗議デモが6月に本格化して以降、林鄭氏と習氏の会談は先月に続き2回目。先月の区議選後では初めてです。
林鄭氏は両首脳との会談後に記者会見し、「香港政府の仕事に対する両首脳の評価に感謝する。両首脳は、暴力と混乱を止め、秩序の回復が重要任務だと繰り返した」などと述べました。
会談を受け、全国香港マカオ研究会の劉兆佳(りゅう・ちょうかい)副会長は香港メディアに、「習氏が香港警察を支持したことは、香港政府と警察に強硬な姿勢で香港の事態を処理し、どのような妥協案も受け入れるなと要求したことになる」と解説。民主派の立法会議員は「習氏の発言は香港の事態の改善に何の役にも立たない」と批判しました。