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2019年12月10日(火)

臨時国会閉会

野党共闘の画期的前進

逃げ回る安倍政権

 臨時国会は、野党が求めた40日間の会期延長を与党が拒否し、閉会しました。しかし、衆院内閣委員会の理事会で、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」疑惑を閉会後も議論することを与党に同意させるなど、野党は次のたたかいの足場をつくりました。今国会を通じて野党共闘の力は大きく発展しました。

 「桜を見る会」私物化疑惑は、安倍首相の後援会員を買収した疑惑をはじめ、虚偽答弁、招待者名簿や資料の廃棄・隠ぺいなど安倍政権の本質的な特徴が凝縮しています。その上、今年の会招待者1万5000人中、官邸や自民党の「枠」での招待者が8000人にのぼり、悪徳マルチ商法会社「ジャパンライフ」による実害を被った人が多数いること、公職選挙法、政治資金規正法をはじめ、財政法、公文書管理法などに違反する首相直結の疑惑が多岐にわたる点で、より深刻です。

 安倍首相は「政治活動については、内閣、与党、野党にかかわらず、一人ひとりの政治家が自らえりをただし、説明責任を果たすものだ」(11月8日)と述べています。首相主催の「桜を見る会」の疑惑の説明責任を果たすべきなのは安倍首相自身です。

 ところが安倍首相は、11月8日の参院予算委員会に出席した以後は、同月20日と12月2日の参院本会議で答弁に立っただけ。野党は、安倍首相ら全閣僚が出席し、一問一答形式の質疑を行う予算委員会での集中審議を求めてきましたが、与党はこれを拒否しました。

 野党は、「桜を見る会」追及チームを、総勢70人以上の衆参両院議員が参加する追及本部に格上げし疑惑追及を強めてきました。

 野党は、国会最終盤に、「逃げ切り」を図る政府・与党に対して、一致して会期の延長を要求。与党は、衆院内閣委員会の理事会で、「桜を見る会」の公文書の問題について、野党の提出した質問書への報告を受けることを約束しました。

 公職選挙法違反疑惑に問われた経済産業相と法相を、市民と野党の共闘で追及し辞任に追い込みました。

 安倍政権の「大学入試改革」の英語民間試験の導入を延期させ、国語と数学の記述式導入も延期の検討に追い込んでいます。高校生、受験生の声を野党共闘で国会に届けることで政治が動くことを示す出来事でした。

 安倍首相が所信表明で執念を示した憲法9条改憲に対しても、市民と野党の反対で、自民党改憲案の国会提示を阻止しました。昨年の通常国会から4国会連続で提示見送りに追い込んだのは、野党共闘の成果です。

 安倍首相が逃げるのは、国民の声を受けた野党共闘を恐れているからです。

 臨時国会で画期的に前進した野党共闘をさらに発展させ、安倍・自公政権に代わる新しい政治の姿を国民に示すときです。(若林明)


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