2019年11月22日(金)
子どもの権利条約30年
国連で記念の会合開く
子どもの基本的権利を国際的に保障するための「子どもの権利条約」が1989年の国連総会で採択されて30周年となる20日、ニューヨークの国連本部で、それを記念する国連総会のハイレベル会合が開かれました。
ユニセフ親善大使を務めるサッカー・元イングランド代表、デービッド・ベッカムさんと英国の女優・モデル、ミリー・ボビー・ブラウンさんを交え、世界の子どもらの声を紹介する「対話討論」が行われました。
ベッカムさんは世界各地で「腹をすかせ、病気の子ども、戦争の中を生きる子ども、地震や洪水で両親を亡くした子ども」をたくさん見てきたと振り返り、「みんな志があり、よりよい未来を夢見ている」と訴えました。
国連のグテレス事務総長は同日、ビデオメッセージを発表し、「子どもに対する約束を守るよう、すべての国に強く促す」と呼び掛けました。
ユニセフは19日、同条約の採択30年にあたって報告書を公表。大きな成果があったと評価する一方、最も貧しい子どもの多くはまだその恩恵を得ていないと指摘し、「子どもの権利を再び世界的な大義として位置付ける必要がある」と強調しました。
子どもの権利条約は、18歳未満を子どもと定義。子どもを「保護の対象」ではなく「権利を持つ主体」として(1)生存(2)発達(3)保護(4)参加―の四つの柱で権利擁護に必要な具体的な事項を規定しています。89年11月20日に採択され、90年9月に発効。現加盟国は197カ国。日本は1994年に批准しました。