2019年11月3日(日)
中東方面への自衛隊派兵検討
憲法学者123人が反対声明
憲法学者123人はこのほど、安倍政権による中東方面への自衛隊派兵の検討に反対する「ホルムズ海峡周辺へ自衛隊を派遣することについての憲法研究者声明」を発表しました。
声明は、派兵について、2019年春以来、周辺海域で民間船舶に対する襲撃やイラン・米両国軍の衝突が生じる中で、「自衛隊の海外派遣を日常化させたい日本政府が、アメリカからの有志連合への参加呼びかけを『渡りに船』で選択したもの」だと指摘。「有志連合の一員という形式をとらなくとも、実質的には、近隣に展開するアメリカ軍など他国軍と事実上の共同した活動は避けられない」と警告し、「国際的合意はまったく得られていない」もとで、「自衛隊が参加する合理性も必要性もない」と批判しています。
日本政府が派兵の説明としてあげる防衛省設置法に基づく「調査・研究」は、期間、地理的制約、方法、装備などがいずれも白紙だと指摘し、法的にまったく野放し状態のままで自衛隊を派遣することは「平和主義にとっても民主主義にとってもきわめて危険だ」と強調しました。
そのうえで、安保法制の下で日本の武力行使を「現実化させかねない」として、(1)米軍に攻撃があった場合に日本の集団的自衛権の行使につながる(2)米軍の武器等防護など自衛隊が米国の戦争と一体化する(3)自衛隊がホルムズ海峡で機雷掃海を行えば、攻撃を誘発しかねない―の3点を指摘し、憲法9条の平和主義に反し、自衛隊員の生命・身体を徒(いたずら)に危険にさらすと述べて反対を訴えました。