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2019年10月18日(金)

トルコ 反戦の声

芸術家も 労組も 弁護士も

シリア侵攻 容認の野党第1党党首に批判

 【カイロ=松本眞志】トルコ軍がシリアに侵攻してから17日で1週間以上が経過しました。トルコ国内では政府に批判的な市民への弾圧が強まるなかでも、野党や労組、芸術家グループなどが「戦争反対」の声を上げています。

 芸術家79人は15日、エルドアン大統領に対する署名入り請願書を公表。「戦争とウソ、略奪に反対する」と表明しています。

 トルコ進歩労働組合連合(DISK)は14日、トルコ公務員労働組合連盟(KESK)、トルコ建築家協会(TMMOB)、トルコ医師協会(TTB)とともに、「われわれは公正と民主主義、平和を要求する」との共同声明を発表。シリアでの軍事作戦が「(国内での)記録的な失業者数、異常な物価上昇、数百万人の貧困化、民主主義と公正の破壊などの問題を解決せず、むしろ悪化させるだろう」と警告しました。

 九つの都市の弁護士会も「平和と即時停戦」を求めるアピールを発表しました。

 野党第2党の国民民主主義党(HDP)のペルビン・ブルダン共同委員長(女性)は15日、イスタンブールでの党創立7周年の記念会合で、「平和を要求し戦争に反対することは犯罪ではない」と発言。エルドアン大統領の「侵略」ではないとの主張に、「それならなぜ、“征服”という言葉を使うのか」とただしました。

 野党第1党の共和人民党(CHP)の党首は軍事作戦を容認していますが、同党の国会議員セズギン・タンリクル氏は「これは不正義の戦争であり、反クルド民族の戦争」だと政府を批判。直後に検察当局は「公然とトルコ共和国を侮辱した」として、同氏の捜査を開始したと公表しました。

 首都アンカラ居住でCHP支持者のコンピューター技師タヘル・アジズさん(38)は、本紙に対し、党首の戦争支持の姿勢に「党の将来を台無しにする行為だ。すぐに戦争反対の立場をとるべきだ」と訴えました。


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