2019年10月10日(木)
米政権 弾劾調査拒否
ウクライナ疑惑 民主党に書簡
【ワシントン=遠藤誠二】米ホワイトハウスは8日、バイデン前副大統領に打撃を与えるためトランプ大統領がウクライナに圧力をかけた疑惑で、議会による弾劾調査への協力を拒否する書簡を野党・民主党幹部に送りました。ホワイトハウスと民主党の対立が激化しています。
書簡は、ペロシ下院議長とシフ下院情報特別委員長らに対して送られ、公開されました。圧力をかけたとされるトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談は「完全に適切であり、調査を進める根拠はない」とし、「大統領と政権は、民主主義プロセスを覆す根拠のない違憲の取り組みを拒絶する」と伝えています。
書簡はさらに、「調査は憲法上無効」「弾劾調査は2016年の選挙を逆転させ、20年の選挙に影響を与える」などと指摘しています。
ホワイトハウスは8日、下院で予定されていたソンドランド駐欧州連合(EU)代表部米大使の宣誓証言も拒否しました。同大使はウクライナとの交渉で重要な役割を果たしたとされる人物。民主党は同大使に召喚状を出し証言を迫る構えです。
ロイター通信/イプソスが8日発表した世論調査(7、8両日実施)結果によると、弾劾手続きを「支持する」は45%と前回調査と同じ水準、「不支持」は2ポイント下がり39%でした。トランプ氏がウクライナに「圧力をかけたか」との設問に「そう思う」と答えたのは51%、「思わない」は27%でした。