2019年10月7日(月)
抗議マスク風雨突く
香港 緊急条例に市民ら
【北京=釘丸晶】香港政府が超法規的措置である「緊急情況規則条例」(緊急条例)を発動し、5日に「覆面禁止規則」が発効した後も、市民による抗議行動は収まりません。
香港メディアによると香港島中心部で6日、緊急条例発動に抗議するデモが行われました。参加者の多くは「覆面禁止規則」で着用が禁止されたマスクで顔を覆い抗議の意思を表示。時折風雨が激しくなる中、傘を高く掲げ、繁華街の銅鑼湾から金融街の中環(セントラル)まで行進しました。デモ隊は中心部の四つの幹線道路を埋めました。
同日は香港島のビクトリア公園で、警察の暴力的なデモ取り締まりに抗議し、取材中に警察の放ったゴム弾で右目を失明したインドネシア人記者を励ます集会が開かれたほか、対岸の九龍地区でもデモ行進が行われました。抗議参加者の一部が路上封鎖を開始し、警官隊が催涙弾を放つなどして排除に乗り出しました。
一方、香港立法会(議会)の民主派議員24人は5日、緊急条例の発動は違憲だとして裁判所に再審査を要求。緊急条例と覆面禁止規則の施行の一時停止を求めていましたが、高等法院は6日、施行の停止は認めず、今月下旬に再審査を行うとしました。
弁護士で立法会議員の李志喜氏は「緊急条例が行政長官に与える権力は過大で『覆面禁止規則』の制定はそれを証明している」と指摘。「逃亡犯条例もこの方法でいつでも通すことができる」と懸念を語りました。