2019年10月6日(日)
緊急条例 抗議収まらず
香港 マスク着け市民デモ
【北京=釘丸晶】香港では政府が「緊急状況規則条例」(緊急条例)を発動し、制定した「覆面禁止規則」が発効した5日も、自由を求める市民の抗議行動はおさまらず、処罰を恐れずマスク姿で多くの市民がデモ行進しました。
香港島中心部の繁華街・銅鑼湾のデモには1000人超が参加。参加した女性は香港メディアに「一度緊急条例発動の前例ができれば、今後香港市民に自由が無くなるのではないか」と不安を語りました。
「覆面禁止規則」はデモや集会に参加する際、マスクやヘルメットなどで顔を覆う行為を禁止し、違反者には最高で1年の禁錮または2万5000香港ドル(約34万円)の罰金が科されますが、5日のデモにも多くの市民がマスクを着用。「私にはマスクをする権利がある」と訴えました。
緊急条例が発動された4日から5日未明まで行われた抗議ではデモ隊に取り囲まれた警官が発砲し、14歳の少年が足を負傷するなどデモ隊と警察が激しく衝突。政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は5日午後に発表したビデオ談話で、デモ隊の暴力行為を指摘し、「これが香港政府が緊急条例を発動し、覆面禁止規則を制定した理由だ」と訴え、市民の理解を求めました。