2019年9月29日(日)
子育て助ける社会を
東京 虐待を考えるシンポ
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教育子育て九条の会などの主催で28日、東京都内で「『虐待』を考える」シンポジウムが開かれました。64人が参加。幼い子どもが犠牲になる事件が相次ぐ中で、命と人権を守るために何ができるのかを話し合いました。
同会よびかけ人の田中孝彦さんがコーディネーターを務め、「徹底的に考えていかなければならない問題。継続的に深めていく取り組みの一歩としたい」とのべました。
虐待事件について取材を続けているルポライターの杉山春さんは、問題の背後に親が困窮し、孤立し、追い詰められてもSOSが出せない状況があると指摘。「一つ一つの事件を見ると社会が助けなければいけないと思われる家族が必死に子育てをしている」、そのなかで虐待が起きていると語りました。
児童相談所の関係者が現場の状況を発言。親との関係を築く上での悩みや職員不足で駆け回っている状況を語り、保護された子どもが安心して家庭に帰れるようにしたいとの思いをのべました。
弁護士の小笠原彩子さんは、児童相談所が福祉機関であるとともに、虐待に関しては家庭に介入する司法の機能も果たしているとして、それにふさわしい組織的整備をする必要があると訴えました。
立教大学名誉教授の浅井春夫さんは「虐待と貧困は裏表の関係にある」と強調。日本は児童福祉司が世界的に見て圧倒的に少ないとして「政治の在り方をかえなければいけない」と語りました。