2019年9月28日(土)
大軍拡 「多次元」で
防衛白書 辺野古・陸上イージス推進
河野太郎防衛相は27日の閣議で、2019年版防衛白書を報告しました。昨年末に決定した新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を踏まえ、「真に実効的な防衛力として多次元統合防衛力を構築する」として、陸・海・空に加え、宇宙・サイバー・電磁波領域も含めた大軍拡路線を強調しました。(関連記事)
北朝鮮の核開発について、18年版の白書は「実現に至っている可能性」と評価していましたが、19年度版は「核兵器の小型化・弾頭化を既に実現しているとみられる」と明記。北朝鮮の核・ミサイル能力は「本質的な変化は生じていない」と警戒しました。
中国については「軍事力の質・量を広範かつ急速に強化している」とし、宇宙・サイバー・電磁波領域の能力強化にも取り組んでいると指摘して、西太平洋で米軍の介入や展開を阻む「接近阻止・領域拒否(A2AD)」能力の強化につながるとしました。
「いずも」型護衛艦の事実上の空母への改修をはじめ、最新鋭ステルス戦闘機F35B、長距離巡航ミサイル導入など、敵基地攻撃能力の保有・強化をうたっています。
陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」導入をめぐって、配備候補地の秋田・山口両県への説明資料の誤りなどに関し「極めて不適切な対応があった」として「真摯(しんし)に反省している」としましたが、「イージス・アショア整備推進本部」を設置したとして、民意を無視しての配備強行をにじませています。
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、軟弱地盤の改良工事は「一般的で施工実績が豊富な工法」によって安定性を確保して工事が可能だと主張。圧倒的な新基地反対の民意が示された2月の県民投票の結果を「真摯に受け止め(る)」といいながら、新基地推進の強行姿勢を崩していません。