2019年9月23日(月)
国連総長「流れ変わった」
初の若者気候サミット
各国首脳・国連高官と対話
【ニューヨーク=池田晋】23日の国連気候行動サミットを控え国連本部で21日、世界各国から若者らが参加する「若者気候サミット」が初めて開催されました。地球温暖化の影響を長期に受ける若者と、各国首脳や国連高官らが直接対話。国連のグテレス事務総長は温暖化対策を求める若者の世界的な運動の広がりで「(この問題の)流れが変わった」と述べ、運動をさらに後押しする考えを示しました。
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“運動止められぬ”グレタさん
国連によると、7000人の応募から選ばれた旅費負担不要の100人を含め、約1000人の若手環境活動家や起業家らが1日を通して参加しました。
午前の部で、スウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリさん(16)は、20日に世界で400万人以上が参加した気候マーチで「私たち若者は団結しており、止められないということを示した」と語りました。
若者の発言の「聞き役」として出席したグテレス氏は、有権者に押されて各国政府が動きはじめており、「この勢いは、議会前の小さなものから、世界で数百万人の運動にしてきた若者の取り組みと勇気のおかげだ」と称賛。同氏の属する世代は、世界正義や環境保全を怠ってきたとし、「人類の未来を売り渡さないよう、私たち世代の責任を追及するのがあなたたちの世代だ」と背中を押しました。
午後の部では、国連のアミナ・モハメド副事務総長を議長に「世代間の対話集会」と題した、若者らが現職や元職の政治家、国連高官に温暖化に関する質問を直接ぶつける異色の取り組みを実施。オーストリアとマーシャル諸島の首脳、米ワシントン州の知事などが出席しました。
貧困と温暖化対策をどう両立させるかとのアフリカから参加した青年の質問に、オーストリアのファンデアベレン大統領は、ガソリンなどに付加税を課し、再分配する議論が主流だと紹介。最後に「選挙を軽視してはダメ。投票所に行き、票を投じて」と若者から政治家への圧力の必要性を強調しました。