2019年9月19日(木)
イスラエル与党連合後退
総選挙 過半数を獲得できず
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【カイロ=松本眞志】イスラエル総選挙(定数120、17日投票)の結果(開票率90%)が発表され、ネタニヤフ首相を支える与党右派連合は過半数を獲得できず55議席となる見通しとなりました。対イラン・パレスチナ強硬路線で右派の支持勢力拡大を狙った首相のもくろみに反する結果となりました。中央選管が18日、発表しました。
発表によると、ネタニヤフ氏の出身母体である与党リクードは前回4月9日の選挙より4議席減の31議席。対抗馬の青白連合は32議席となる見込みです。
左翼・アラブ政党からなるジョイント・リスト(イスラエル共産党も参加)は13議席で、ハダシュ、統一アラブ・リストとして参加した前回合計の10議席よりも前進しました。
与党連合から離脱した、わが家イスラエルは9議席となり前回の5議席からほぼ倍増の結果です。
中央選管によると投票率は69・4%で、前回選挙よりも微増となりました。
ネタニヤフ氏は選挙後も続投に意欲を示していますが、与党勢力が議席を減らしたことで、多数派工作は困難が予想されています。 現地紙タイムズ・オブ・イスラエルは、「開票率9割の開票結果は、国会が行き詰まって首相が不安定な地盤にあることを示した」と指摘。「これらの結果によって明確に組閣できる候補がいなくなった。ベンジャミン・ネタニヤフ氏の首相としての将来は安定からは程遠い」と述べています。