2019年9月19日(木)
保育報酬下げ 厚労省が撤回
自治体・施設などの批判受け
副食費実費めぐり
10月から始まる認可保育所等の副食費の実費徴収化に伴って、厚生労働省が3歳児から5歳児の保育に対して支払う公定価格を引き下げようとしていた問題で、同価格を示していた報酬告示案が自治体や事業者などからの批判で撤回に追い込まれました。自治体には18日付で通知がおこなわれました。
この制度変更は、認可保育所等の基本報酬を子ども1人あたり約600円引き下げ、その代わり非常勤栄養士を雇うための加算や常勤保育士を1人増やすための加算を創設するものでした。国会での法案の審議でもこのことは一切説明せず、実施直前に突然に持ち出してきたものです。この結果、少なくとも7割程度の施設が減収になると見られていました。
8月22日の自治体への通知以降、批判や問い合わせが内閣府に相次ぎました。全国市長会の立谷秀清会長(福島県相馬市長)も「制度の10月スタート寸前になり、内閣府が物価調整分680円を保護者負担に上積みする公定価格案を一方的に提示してきた。今さらこんなことは市民に説明できない。国による不当な行為で、全国市長会としては到底容認できない」と強く批判し、抗議と撤回を求める声が広がりました。
日本共産党の田村智子参院議員も内閣府に対して抗議をおこなっていました。
17日、立谷会長が菅義偉官房長官と会談し、強く抗議。報酬引き下げの撤回につながりました。
引き下げと引き換えに10月から実施するはずだった栄養管理加算とチーム保育推進加算の拡充も見送られます。
|
国会を無視したやり方許されず
田村智子参院議員の話 子どもや保育士の処遇を直撃する報酬引き下げが撤回されたのは当然です。地方議会でのわが党の追及や施設の抗議の広がりの動きが政府を追い込みました。国会での説明と違うことをする国会無視のやり方で許せません。