2019年9月4日(水)
活動家の周氏勝訴
香港補選 立候補取り消し裁判
【香港=釘丸晶】香港の民主派団体「香港衆志(デモシスト)」の女性活動家、周庭氏が昨年3月に行われた立法会(議会)補欠選挙の立候補を無効とされたのは不当だと訴えていた裁判で、香港の裁判所は2日、資格取り消しは妥当ではないとの判決を出しました。香港メディアは「周氏勝訴の判決」と伝えました。
当局は補選で「香港衆志」が提唱する香港の未来は民主的に決めるとした「民主自決」が香港基本法や「一国二制度」に違反するとして、周氏の選挙に立候補する資格を取り消しました。判決は当局が周氏に反論の機会を与えずに立候補資格を取り消したのは手続き上妥当ではないと判断しました。
ただ、判決は選挙結果そのものを無効としたため、候補者擁立を断念した「香港衆志」が支援し、補選で当選した民主派の区諾軒(く・だくけん)氏も議員資格を失うこととなります。また、この判決で周氏の立候補資格が認められたわけではありません。
周氏は判決後の会見で今回の勝訴を「惨勝(惨めな勝利)」と表現し、「当局は依然、立候補者の政治的立場や『基本法』を擁護するか否かで判断する権利を持っている」と指摘。「今後も独立派や自決派が立候補の資格を得るのは難しい」との認識を示しながらも、「自決は香港人の最も基本的な権利だ。今後も自決を主張する」と強調しました。