2019年9月3日(火)
「行政の判断は検閲」
「不自由展」 実行委が再開求める
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国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が政治的圧力と脅迫を受け中止に追い込まれた問題で2日、企画展の実行委員会は都内で記者会見を行いました。
会見は、実行委員会5人のうち、美術・文化批評家のアライ=ヒロユキさん、編集者の岡本有佳さん、批評家の小倉利丸さんが出席しました。
岡本さんは「表現の自由を侵害した行政の判断は検閲に当たる」と指摘。同展への抗議行動について先の展示会の経験も生かし事前研修などを提案しましたが、行われなかったこと、抗議電話については音声録音を提案し導入されたことを紹介。「安全対策はまだできることがある」と主張しました。
アライさんは「批判することではなく、表現することが批判される」と現状を訴えました。また、検証委員会副座長でヒアリング担当の上山信一慶応大学教授が同展示について「サヨク的と見られるリスクは明らかだった」などとツイッターに投稿していることを紹介し、「公正なヒアリングを行っていただけるのか疑問」と話しました。
小倉さんは、同展示会場でSNSへの投稿が禁止されたことを紹介。「天皇や歴史認識など、この国が抱える最も深刻な表現の自由をめぐる課題に、メディアを通じてさえこれらの作品にアクセスできないことは臆測や偏見を助長する」と批判しました。
小倉さんは同実行委員会としてあいちトリエンナーレが10月まで開催されることから、展示再開を求め、「日本に表現の自由が生き続けていることを示すことが大事」と話しました。