2019年8月31日(土)
香港民主派幹部 一時拘束
大規模デモを不許可
【香港=釘丸晶】香港で2014年に行政長官選挙の民主化を求めた雨傘運動の元学生団体リーダー、黄之鋒(しほう)氏と、民主派女性幹部の周庭氏が30日朝、相次いで警察に逮捕されました。両氏が所属する民主派団体「香港衆志(デモシスト)」がフェイスブックで発表しました。両氏は同日夕、保釈が認められました。
警察は、両氏が逃亡犯条例改定案への抗議行動に絡み、6月21日にデモ隊が警察本部を包囲した際、不許可の集会を扇動した疑いがあるとしています。
また、香港メディアによると30日夕までに、立法会議員の鄭(てい)松泰氏、香港大学生会の孫暁嵐・前会長らも相次いで逮捕。香港民族党の陳浩天・前代表も29日、空港で警察に逮捕されました。
香港衆志の鄭家朗副主席は香港メディアに「市民を恐れさせ、デモ参加させないようにするものだ」と警察を批判。「さらに多くの人が不満を持って街に出て行くだけだ」と強調しました。
一方、民主派団体「民間人権陣線(民陣)」は31日に集会とデモ行進を予定していましたが、当局の許可が得られず、開催を断念しました。しかし、これまでも不許可のまま、市民が自発的に集会を行ったケースもあり、今回もそうなる可能性があります。
抑圧的措置に反対する
志位委員長がコメント
日本共産党の志位和夫委員長は30日、香港のデモのリーダーが警察に拘束されたことを受け、以下のコメントを発表しました。
香港の平和的デモのリーダーである黄之鋒氏と周庭氏の2人が香港警察により拘束されたことに強い懸念を表明する。香港市民の当然の権利である平和的な政治活動に対する当局による抑圧的措置に反対する。われわれは、事態の平和的な解決を強く望む。