2019年8月26日(月)
“新しい社会実現を”唱和
G7反対集会・デモ
仏・アンダイエ 隣国スペインから参加も
【アンダイエ(仏南西部)=桑野白馬】フランス南西部アンダイエで24日、環境団体や反グローバル化の活動家、左翼政党などが主要7カ国(G7)首脳会議に反対するデモと集会を行いました。アンダイエを出発したデモ隊は「環境破壊の犯罪を止めよ」「安定した仕事の確保を」などと書いたプラカードを掲げ街を練り歩きました。
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若者、高齢者、子ども連れの夫婦など幅広い年齢層で構成されたデモ隊に隣国スペインからも続々と合流し、参加者は1万5000人(主催者発表)に膨れ上がりました。「G7にノー。新しい社会の実現を」とのコールが響くと、沿道や周辺の家のバルコニーから手を振り、声援を送る地元住民の姿も見られました。
環境団体「bizi」のエレナさん(34)は「資本主義国のリーダーが集まっても、世界でまん延する環境破壊や貧困を真剣に議論できるとは思えない」と批判。主催団体「G7EZ」のハイヨネ・ロライさんは「富裕層ばかりに資本が集中する現状を変えるため、声をあげる必要がある」と強調しました。
デモの途中で、色とりどりのリボンをあしらったコーン型の帽子をかぶり、巨大なカウベルを背負った「ヨアルドゥナック」(バスク語で「鐘を鳴らす人」の意味)に扮(ふん)した団体も合流。太陽が照りつける中、約2時間かけスペインの国境に面した町イルンに到着すると、拍手と歓声がわき起こりました。
イルンに設置された舞台では、公共福祉、人権、多様性や人間の尊厳を守るために団結してたたかうと表明した「反G7声明」が紹介されました。
仏南西部のベルグから参加したホセファ・ラミネさん(68)は「所属している団体はないけれど、みんなと気持ちは一緒。人権や民主主義を守る、より良い世の中を目指したい」と笑顔で語りました。