2019年8月25日(日)
「表現の自由」語らず
神戸シンポ中止 市長が会見
愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の津田大介芸術監督を招いて18日に神戸市で予定していたシンポジウムが中止となった問題で22日、久元喜造神戸市長は定例会見で、中止について初めて言及しました。
同シンポは、神戸市内で9月から11月にかけて開催される「アートプロジェクトKOBE2019 TRANS―」(実行委員会と市の主催)のプレ企画でした。
市長は中止の理由について「『あいちトリエンナーレ』の監督の方が出演されることにきわめて多数の抗議、反対の意見が寄せられ、このまま開催すると非常に大きな混乱が起きる可能性があるので、現場の判断としては中止したいと」「現場の判断がより尊重されるべきだと考え、主催者としても了承した」と述べました。
「やってほしかったとの声や、中止で自由な議論の場が奪われたという批判があるが」との質問に、市長は「そういう批判があったことも事実だと思うが、非常に大きな混乱、予期せぬ事態が仮に発生すれば取り返しのつかないことになる」などと述べました。
無責任かつ重大
|
森本真・日本共産党神戸市議団長の談話 久元市長は中止は現場の判断を追認したと言いますが、自治体が守るべき表現の自由について一言も語っていないのは全く無責任で、重大です。「大きな混乱の可能性があった」とも言いますが、市当局は脅迫はなかったと認めています。表現の自由を守る立場から毅然(きぜん)と対応し、開催するための必要な手だてと体制を取るべきでした。
憲法21条が保障する表現の自由、芸術・文化にたいする「アームズ・レングスの法則」(お金は出しても口は出さない)などを踏まえて、神戸市は再開に向けて努力すべき責任を負っています。
党市議団は、表現の自由を守るために全力を挙げます。