2019年8月22日(木)
対イラン 有志連合 低調
米同盟国も対話促す
【ワシントン=池田晋】国連安全保障理事会は20日、中東情勢をめぐって公開会合を開きました。ポンペオ米国務長官は、ホルムズ海峡周辺でのタンカー攻撃や無人機撃墜などで緊張が高まるイラン問題で協力を呼び掛けたものの、主要な同盟国からも緊張緩和を求める声が相次ぎ、海峡警備で米国が提唱する有志連合に理解が広がらない現状を浮き彫りにしました。
安保理で指摘次々
ドイツは、地域の海洋安全保障上の脅威には取り組む必要があるとする一方、「われわれは政治的対話を通し、必要なら連携した制裁でそれに取り組む」と述べ、有志連合に参加しない方針を改めて表明。「双方による積極的な緊張緩和が前向きな結果を生み、さらなる圧力と一方的行動はその逆の結果を生む」とも述べました。
フランスもホルムズ海峡情勢をめぐって、「紛争の阻止と対話による緊張緩和が優先事項だ」と主張。コートジボワールも同様に、現在の情勢が「誠実で、包括的な対話によってのみ解決されうると確信している」と述べました。
ポンペオ長官は、有志連合への参加を現時点で表明している英国とバーレーンの2カ国を歓迎する一方、「他の国の参加を心待ちにしている」と呼び掛け。核合意を承認した安保理決議2231でイランに科されている武器禁輸と23個人に対する渡航制限措置が来年10月で失効することをあげ、これら制裁が継続するよう取り組みを求めました。
英国は、米国が一方的に離脱したイラン核合意以外に「望ましい解決策も、選択肢もない」と述べ、合意を支持する立場を維持。ロシアは、米主導の有志連合とは別のペルシャ湾での集団安全保障構想を提示し、中国はそれを支持する考えを示しました。