2019年8月22日(木)
空母化「いずも」 米軍使用へ
海兵隊総司令官明言 F35B発着狙う
米海兵隊トップのバーガー総司令官は21日、東京都内で記者会見し、海兵隊のF35Bステルス戦闘機による海上自衛隊の「いずも」型護衛艦の使用をめぐり、日本側と話し合ったと表明。攻撃型空母に改修した「いずも」型から海兵隊のF35Bが発着できるようにするのが「最終目標だ」と語り、米軍による使用の可能性を明言しました。
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防衛省は「いずも」型護衛艦の改修をめぐり、2017年に同艦の建造業者の「ジャパン・マリンユナイテッド(JMU)」に委託した調査報告書で、「米軍の後方支援」が目的だと明記していました。
日本共産党の小池晃議員は昨年3月2日の参院予算委員会で、安保法制の発動要件である「重要影響事態」や「国際平和共同対処事態」で、自衛隊の「ヘリ空母」から離着陸した米軍ヘリが攻撃を行うことは可能とする政府見解を踏まえ、「米軍ヘリがF35Bに置き換わっても法制上は実施可能ではないか」と追及。さらに岩屋毅防衛相は共産党の宮本徹議員に対し、「いずも」から米軍F35Bが空爆に出撃する可能性は「排除されない」と明言していました。(3月8日、衆院安保委員会)
バーガー氏の発言は、安保法制に基づく海外での米軍の戦争で「いずも」型護衛艦が米軍F35Bの出撃拠点になる危険性を裏付けるものです。米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)にはF35Bが16機配備されており、2020年代前半には32機態勢にする計画です。これらが日米共同訓練で「いずも」型を日常的に使用し、自衛隊の従属化を強めていく狙いが透けて見えます。
「いずも」型では、1隻あたり10機のF35Bが同時運用可能とされています。
防衛省は今年度軍事費に、「いずも」「かが」の2隻を改修するための調査費7000万円を計上。さらに、米国製武器の大量購入というトランプ米大統領の要求に応じ、自衛隊もF35Bを42機導入する計画です。