2019年8月21日(水)
「表現の自由は不可侵の権利」
「あいちトリエンナーレ」 出展の海外アーティスト 声明文
展示一時中止で抗議の意思示す
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愛知県で開催されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、「表現の不自由展・その後」が展示中止になったことに抗議して、出展中の海外アーティストが20日から展示の一時中止・内容変更を行っています。会場には声明文が掲示されました。
展示を中止したのは、タニア・ブルゲラ氏とハビエル・テジェス氏の2組。展示内容を変更したのはピア・カミル氏やレジーナ・ホセ・ガリンド氏ら6組です。韓国人の2氏は以前から展示を中止しています。
「不自由展」中止に抗議した海外アーティスト12組は12日に「表現の自由を守る」と題した声明を発表し、自分の作品の展示中止を実行委員会に申し入れていました。同展ポスターの写真にも採用されたウーゴ・ロンディノーネ氏は協議の結果、展示を継続することになりました。
会場の一つ、愛知芸術文化センター(名古屋市東区)では、閉鎖された展示室の前の声明文を、来場者らが食い入るように見つめていました。映像が止まり、静けさに包まれた展示室で、困惑した表情を浮かべる人もいました。
声明文では、攻撃の主な標的となった「平和の少女像」の作品は、今もなお抑圧されている第2次世界大戦時と軍事的性奴隷制度の歴史的記憶を取り戻すことに焦点があてられていると指摘。「私たちがアーティストたちの声を聞き、作品が展示されるよう支援することは倫理的な義務だと考える。表現の自由は、どのような文脈からも独立して擁護される必要のある不可侵の権利」と述べています。
表現の自由への攻撃に対して「実行委員会が政治的介入や暴力に屈して『表現の自由』を妨げることなく、『表現の不自由展』を再開することを心から願っている」としています。