2019年8月4日(日)
新たな一歩で豊かな保育を
保育合研 名古屋で始まる
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子どもたちの最善の利益を保障する保育って何だろう―。第51回全国保育団体合同研究集会(保育合研)が3日、名古屋市内で始まりました。北海道から沖縄まで、初日だけで3000人を超える参加者が集いました。
オープニングは「ぞうれっしゃよはしれ」。手作りの列車と一緒に、約400人の子どもたちが歌いながら会場をねり歩きました。同市の東山動物園で戦争中も守り抜いた2頭のゾウを見るために70年前に走らせたぞう列車。「夢と希望のレールをつなごう」と願いをこめます。
全国実行委員長の石川幸枝さんが開会あいさつ。第1回保育合研が、愛知県の研究者の呼びかけで始まったことを紹介しました。保育士不足や、消費税10%と引き換えに副食費が実費徴収される保育料「無償化」、憲法改悪が取りざたされるなどの動きを指摘。「歴史を逆に進めさせるわけにはいかない。保育制度を切り開き、発展させてきた合研の、100回をめざす新たな第一歩にしたい」と呼びかけました。
「豊かな保育・子育ては社会をひらく!」と題して、フォーラムが行われました。赤ちゃんの急死を考える会の藤井真希さんは、ファミリーサポートでの1時間の預かり保育で娘を亡くしました。自治体の講習で可能なファミサポの事業も、10月から「無償化」の対象になります。「子どもの預け先に格差があってはならないのに、無償化で格差が広がり、固定化されてしまう」と自治体への要請を続けています。
名古屋市の保健師(35)。年中の子どもが、ぞうれっしゃに参加しました。「お泊まり保育をするかどうかも子どもたちで話し合って決める保育園です。子どもの気持ちを大切にしてくれる園を増やしてほしい」と話します。
初参加の女性(44)。同市内の保育園の看護師で、育児休業中。3人の子どもを連れての初参加です。「『いい保育って何?』というのは人それぞれだけれど、保護者・子ども・保育者の“三方良し”の保育を探りたい」