2019年7月31日(水)
HISスーパー電力など推進
パーム油発電中止せよ
CO2大量排出 環境団体など指摘
|
宮城県角田市で建設中のバイオマス発電所をめぐり、中止を求める環境団体などが30日、事業主のHISスーパー電力と株主の旅行大手エイチ・アイ・エスに署名を提出し、国会内で会見を開きました。
建設されている発電所はアブラヤシが原料のパーム油を燃料として年間7万トンを燃やします。再生可能エネルギーとして電力会社が高く買い取る再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用します。運転期間はFIT制度により1キロワット時当たり24円で買い取りが保証される20年間です。
環境団体などはアブラヤシ農園開発のために熱帯雨林が伐採されていることやそのためにパーム油の二酸化炭素(CO2)排出量が石炭の倍以上であることを指摘しています。「熱帯雨林と地球の未来を守るため、真の震災復興のために撤退を」と求め、アブラヤシ農園があるインドネシアやマレーシアなど海外を含む14万8000人が署名しました。
会見した「プランテーション・ウォッチ」の飯沼佐代子さんは「アブラヤシ農園のために泥炭地を開発すると、泥炭地でない場合の139倍のCO2が排出される。電気の利用者が再エネ賦課金を払うことに問題がある」と主張。「バイオマス産業社会ネットワーク」の泊みゆき理事長は「燃料を輸入すれば地域経済の恩恵もなく、パーム油を材料とした食料との材料奪い合いをもたらすことを考えればFITにそぐわない」と指摘しました。
「FoE Japan」の満田夏花事務局長は「FITで温室効果ガス排出量を評価していないことが問題だ」と述べました。