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2019年7月30日(火)

イラン沖有志連合 独仏は緊張緩和優先

米軍主導の衝突を懸念

 イラン沖でタンカーの安全な航行を確保するとする「有志連合」をめぐり、欧州主要国は米国が主導する連合を敬遠しています。独仏は緊張緩和を優先したい考えです。(小玉純一)


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 ロイター通信によると、米国は6月下旬、北大西洋条約機構(NATO)の国防相会合で、航路を守る国際的な任務を提起。しかし、独仏は米主導の軍事同盟がイランとの衝突になりかねないと懸念して、これに抵抗しました。

 英国は今月22日、「航行の自由」を守る欧州主導の対応を提起。25日付の英紙フィナンシャル・タイムズによると独仏は、イランが19日にホルムズ海峡付近で英タンカーを拿捕(だほ)した問題について、外交解決を見いだすことが必要だと強調し、ペルシャ湾岸への海軍派遣を約束していません。

 フランスのルドリアン外相は湾岸の緊張緩和を希求する点を強調。ドイツのマース外相も「緊張緩和の政策を追求する」とし、湾岸での具体的態勢について「協議は早計だ」と述べています。

 ロイター通信によると、マース氏はイランに対する米国の「最大圧力」に参加しないとも述べています。英国のハント外相(当時)も欧州主導の対応を提起した際、米国の「最大圧力」の一部にならないと述べました。

 トランプ米政権は昨5月にイラン核合意を離脱し、新合意を目指すとして無条件対話を呼び掛けながら、イランに「最大圧力」をかけ続けています。

 今年5月、イラン産原油の全面禁輸を各国に強要し、爆撃機や空母まで湾岸に派遣。6月には、イランが米軍の無人偵察機を撃墜したことへの報復として攻撃準備を整え、開始10分前に中止したとトランプ大統領が明かすなど、軍事攻撃もちらつかせています。

 米政治専門紙ポリティコによると、EUのモゲリーニ外相のトッチ顧問は「湾岸の緊張激化をもたらした原罪が米国のイラン核合意違反にある」と指摘しています。

 ロイター通信によると米政府高官は、各国の懸念に直面して、有志連合を「最大圧力」から切り離して説明しています。エスパー国防長官は24日、英国提案の欧州主導の対応が米主導の有志連合を「補完する」とし、両者を調整していく意向を示しています。

 さらに、イランのロウハニ大統領は28日、オマーンのアブドラ外務担当相との会談で、「外国軍は地域の安全に役立たないばかりか、緊張の要因だ」「イランとオマーンが海峡の安全に主な責任を負っている」と述べました。


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