2019年7月21日(日)
ボルネオ・オランウータン 短期間に3割減少
アブラヤシ畑の周辺森林
東南アジア・ボルネオ島のマレーシア領北部のサバ州では、アブラヤシ畑の周辺でオランウータンの生息数が短期間のうちに大幅に減少していることがわかったと世界自然保護基金(WWF)の研究者などのグループが米科学誌『プロス・ワン』(17日付)に発表しました。
研究グループは、2014~17年にかけて空中からオランウータンが夜寝る巣を探す方法で、サバ州に生息するオランウータンの生息数を調べました。その結果、サバ州全域で、この時期に9558匹が生息していると推定されました。
サバ州に生息するオランウータンの数は2002年から03年にも調査されています。管理されている森林や、伐採されていない森林ではオランウータンの推定生息数はほとんど変化がありませんでした。しかし、アブラヤシ畑に囲まれ、細分化された森林地帯では、二つの調査の間に30%も減少していることがわかりました。
ボルネオ島では、アブラヤシの栽培のために森林があちこちで伐採され、オランウータンの生息地が失われたり、分断されたりする事態が進んでいます。