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2019年7月21日(日)

トランプ大統領は憎悪助長

米共和党からも批判

 攻撃的な発言を繰り返し、差別や憎悪を助長するトランプ米大統領に、与党・共和党内からも批判が強まっています。17日に南部ノースカロライナ州グリーンビルで開かれた集会では、ソマリア出身でイスラム教徒のイルハン・オマル下院議員を批判するトランプ氏の演説に聴衆が呼応。会場全体が「彼女を(国に)送り返せ」の大合唱に包まれた光景は、米国社会に大きな衝撃を与えています。(ワシントン=遠藤誠二)


集会で「送り返せ」とコール

 トランプ氏は14日、ツイッター上に、自身の移民政策などに反対するオマル議員ら非白人の民主党女性議員4人に向けて「国へ帰れ」などと投稿し、下院が「人種差別だ」と非難決議(16日)をあげていました。

 トランプ氏は17日の集会で4人を再び、やり玉にあげます。オマル氏の批判に差し掛かったところで聴衆から「センド・ハー・バック(彼女を送り返せ)」とのコールがわき起こり、10秒以上続きました。

 標的とされたオマル氏は18日、「大統領は、自身の有害な政策に同意しない米国民に対し『帰れ』ということで、ファシスト的思想をまきちらしている」「これは私にだけ向けられた言葉ではない」と語りました。

 同日、ホワイトハウスで記者団から、集会で聴衆の唱和を「なぜ止めなかったのか」と問われたトランプ氏は「止めようとした。(止めるために)私はすぐに話し始めた」「(唱和に)私は同意しない。少し嫌な気持ちがした」などと弁解。実際には聴衆が唱和している間、トランプ氏は得意顔の表情を続け、演説をすぐに開始してはいません。

 また、トランプ氏は19日、「(表現の自由などを保障する)憲法修正1条があり、われわれは言いたいことを言える」と述べ、自身や聴衆の姿勢は問題ないと表明。さらには「信じられないほど愛国者だ」と褒めたたえるなど、開き直りの姿勢を見せています。

 一方、共和党のなかでも批判が高まっています。ウォーカー下院議員は「われわれの(選挙)キャンペーンでは必要のない唱和だ」と指摘。共和党を辞め無所属になったアマッシュ下院議員は「醜く、危険だ。トランプ大統領のデマが招いた当然の結果だ」と非難しました。

 米メディアはトランプ氏の姿勢を批判する議員が40人を超えたと報道。共和党下院指導部は18日、ペンス副大統領と、この問題で同党が背負う政治的なリスクについて協議を持ったと伝えられています。

 オマル氏とともにトランプ氏からツイッターで攻撃されたオカシオコルテス下院議員は18日、トランプ氏は「何百万人もの米国民を危険にさらしている」と断じました。


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