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2019年7月20日(土)

主張

参院選あす投票

「減らない年金」への転換こそ

 年金が自動的に削減される制度をこのまま続けるのか、それとも「減らない年金」への改革を実現するのか―。あす投票の参院選では公的年金のあり方が大争点です。安倍晋三政権は、年金を7兆円も削減する仕組みである「マクロ経済スライド」に固執する姿勢を変えようとしません。若い世代は月2万円もマイナスになる計算です。これでは老後のくらしはとても成り立ちません。参院選で、「減らない年金」のために具体的な提案をしている日本共産党を躍進させ、安心できる年金制度への道を開くことが必要です。

首相のごまかし通用せず

 年金への国民の不安が広がる中、安倍首相や自民・公明の与党はマクロ経済スライドについて、「伸びを抑える仕組み」「額そのものは下がらない」などと述べ、深刻な被害をごまかします。しかし、2040年代に基礎年金(国民年金)の給付額が、いまの物価でみた場合、約7兆円も削減されることは、安倍内閣が2日に閣議決定した政府答弁書で明確に認めた事実です。参院選の直前に閣議で正式に決めたことを、あれこれ、とりつくろっても通用しません。

 7兆円規模の年金削減は、いまの30~40代の受け取れる国民年金が現在の満額6万5千円から3割もカットされ4万5千円になってしまうことになります。現役世代の未来にかかわる大問題です。

 日本共産党が掲げるマクロ経済スライド廃止と、それに代わる年金改革案は、財源を明確に示した実現可能な責任ある対案です。高所得者優遇の保険料などの見直しで1兆円確保する方法は、すでに健康保険の保険料で実施されているものです。厚生労働省の審議会でも、その導入をめぐって何度も議論されている案です。経団連の委員の反対で実施は見送りになっていますが、「大企業言いなり」の政治の姿勢を変えれば実現できることを浮き彫りにしています。

 約200兆円にのぼる年金積立金を、株価をつり上げるための資金として運用するのでなく、国民への年金給付のために計画的に取り崩すことも欠かせません。なにより重要なのは、年金の支え手である働く人の賃上げと正社員化で、年金保険料を増やして、年金財源を安定させることです。「8時間働けばふつうにくらせる社会」にすることは、年金制度の土台を強くすることにもつながります。

 さらに日本共産党は、このような「減らない年金」と低年金の底上げ(消費税とは別財源で、低収入の年金生活者に一律年6万円を上乗せ給付)を第一歩にして、「頼れる年金」のために最低保障年金制度へと抜本的な改革をすすめることをめざしています。日本共産党が提起する年金改革の議論をはなから拒む安倍政権の姿勢は、あまりに無責任です。国民の老後の安心を保障するためにも、参院選での審判が極めて重要です。

負担増にもノーの声を

 安倍政権は、年金削減の仕組みを温存する一方で、国民健康保険料(税)の大幅引き上げに拍車をかけ、後期高齢者医療制度や介護保険制度での負担増・給付減を推し進める構えです。参院選は、安倍政権の社会保障破壊の暴走にストップをかける機会です。

 比例代表でも選挙区でも大激戦を勝ち抜き、日本共産党の躍進で安心の年金を実現しましょう。


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