2019年7月17日(水)
非白人議員に「国へ帰れ」
米大統領、人種差別の投稿
女性議員が反論
【ワシントン=遠藤誠二】トランプ米大統領は14日、民主党進歩派の連邦女性議員に対し、「(出身国に)帰ればいい」などとツイッターに投稿し、攻撃された議員は「人種差別だ」と反撃しました。
トランプ氏に反論したのは、昨年の中間選挙で当選したソマリア生まれのオマル、プエルトリコ系のオカシオコルテス、パレスチナ系のタリーブ、アフリカ系のプレスリーの各下院議員です。全員が非白人で、オマル氏以外は米国生まれの米国民。ソマリアからの難民だったオマル氏も市民権を得た米国民です。
トランプ氏はツイートで、「民主党の進歩的な女性議員は、政府が完全に崩壊し最悪で世界のどこよりも腐敗し無能な国から来た。彼女らは、完全に崩壊し犯罪がはびこるもとの場所に帰り、立て直しに向け手助けしたらいい」と主張しました。
オマル氏はツイッターに、「私が忠誠を誓った唯一の国は米国」「私たちは、今まで見た中で最悪で最も腐敗し無能な大統領から国民を守るためにたたかっている」と投稿しました。オカシオコルテス氏は、トランプ氏の論法は「白人至上主義者の典型的な言葉」を表していると指摘。プレスリー氏は「これが人種差別の姿だ。私はどこにも行かない。ワシントンに戻り、日々、大統領が疎んじ中傷する家族たちを守る」と述べ、タリーブ氏は「(トランプ氏は)弾劾されるべきだ」と主張しました。
民主党のペロシ下院議長は、「われわれの国を分断する排外主義のコメントを拒否する」と表明し、トランプ大統領が唱える「アメリカを再び偉大な国とは、白人を再び偉大にということだ」と指摘。大統領を非難する決議を議会に提出する意向を示しました。
トランプ大統領はこれまでにも、アフリカ諸国を「くそツボ」と罵り、白人差別主義者の暴力を擁護するなど、人種差別言動を繰り返してきました。