2019年7月3日(水)
海自の避航義務を立証
「おおすみ」訴訟で原告側
海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」が2014年に、広島県沖で釣り船「とびうお」に衝突、沈没させ船長ら3人が死傷したのは海自艦の避航義務違反が原因として遺族が損害賠償を求めた訴訟の第16回口頭弁論が2日、広島地裁(谷村武則裁判長)で開かれました。
原告側は「高速で釣り船を追い越そうとしたおおすみが、釣り船の針路を避けるべき義務を怠ったことが衝突の原因」と準備書面と陳述で主張。被告側は「追い越すつもりはなかった」「とびうおの右転が原因」と、根拠のないとびうお右転に固執する姿勢を示しました。
原告側は、裁判途中に入手した刑事記録で新たに判明したとびうおの針路をもとに「海自艦は追い越し船となり、避航義務を負う」と立証。原告代理人の田川俊一弁護士は「(とびうおの)針路は艦橋での音声記録にもある。それを隠していた責任は重い」と批判しました。
報告会で釣り船船長の遺族の男性が、「(過去の自衛隊がらみの事件でも)多くの方が亡くなっていることを知り、たたかわなくてはと参加しました」とあいさつしました。次回期日は9月10日午前10時30分から。