2019年6月30日(日)
領土交渉進展せず
日ロ首脳会談
安倍晋三首相は29日、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)のために来日したロシアのプーチン大統領と大阪市内で会談し、「北方領土」問題を含む平和条約締結交渉を加速させる昨年11月の首脳合意に基づき、交渉を継続することで一致しました。首相は当初、今回の会談にあわせて平和条約に関する大筋合意を目指しましたが、実現できないことが確定しました。
プーチン氏の訪日は2016年12月以来2年半ぶり。安倍首相は冒頭、「外相間の会合などを踏まえつつ、平和条約問題について議論したい」と発言。プーチン氏は「平和条約を含め日ロ関係の全分野に関する話ができることを楽しみにしている」と応じました。
しかし、会談後の共同記者会見で、首相は領土問題の具体的進展について言及せず、「立場の隔たりを乗り越えることは簡単ではないが、乗り越える輪郭は明確になっている」と発言。プーチン氏も平和条約締結について「センシティブ(敏感)で難しい問題だ」との認識を示しました。
安倍首相は昨年11月の会談後、1956年の日ソ共同宣言を交渉の基礎とする考えを示し、事実上、「2島返還」にかじを切りましたが、プーチン氏は会見で日ソ共同宣言にふれませんでした。