2019年6月19日(水)
「逃亡犯条例」立法手続きせず
香港長官「市民に謝罪」
香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は18日、政府本部で会見し、犯罪容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改定案に関し、「矛盾と紛争が解決しなければ立法手続きを再開しない」と語りました。また、15日に立法作業を停止させ、いかなるスケジュールも設定していないと述べたものの、改定案の撤回については言及しませんでした。
改定案をめぐっては16日、完全撤回と林鄭氏の辞任を求める大規模デモが行われ、香港市民の約4人に1人に相当する約200万人が参加。9日に約103万人が参加したデモに続くもので、改定案に対する市民の批判の強さが示されました。
林鄭氏は会見で、市民に紛争と心配を引き起こしたとして「一人ひとりの香港市民に心からおわびする」と謝罪。「過去数カ月の論争は政府の条例改定の進め方がよくなかったためで、私が大きな責任を負わなくてはいけない」と混乱の責任を認めました。
一方、林鄭氏は2022年まで残り3年の任期で「いっそう努力し、市民の信頼を取り戻したい」と述べ、辞任する考えのないことを示しました。
現地メディアの報道によると林鄭氏は17日、教育関係者との面会で、15日の会見で述べた改定の無期限延期について「事実上の撤回に等しい」と語り、廃案を示唆していました。