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2019年6月8日(土)

スカートでもスラックスでも

性差なき制服に

メキシコ市 小学校が導入へ

 メキシコ市政府はこのほど、公立小学校の制服について、性別に関わりなくスカートでもスラックスでも着用できるとする方針を発表しました。性差による差別のないジェンダー平等を促進する首都の左派政権の動きが注目を集めています。


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(写真)制服の新方針発表の式典でスラックス姿で発言する女子生徒=3日、メキシコ市(市政府のウェブサイトから)

 この方針は3日、メキシコ市内中心部の公立小学校で行われた式典に出席した、新興左派政党・国民再生運動(MORENA)のシェインバウム市長によって発表されました。メキシコの公立小学校では制服着用が義務で、女子はスカート、男子はスラックスと決められています。新方針はどちらを着用するかの選択を生徒の意向に任せるというもの。9月の新学期から施行予定です。

 同市長は、「女の子がスカートをはき、男の子がスラックスをはかなければならない時代は過ぎ去り、歴史となりました。男の子が望めばスカートをはき、女の子が望めばスラックスをはくことができる。これは平等の一環です」と説明しました。

 ユカタン自治大学のテレシタ・カスティジョ教授は、地元紙のインタビューで新方針は「偏見のない教育を促進する公的な政策」だと評価。「子どもの権利のためのネットワーク」代表のフアン・ペレス氏は、新政策を支持するとともに、男の子には短髪、女の子には髪をまとめることを強制する校則も併せて撤廃すべきだと提案しています。

 一方、生徒の父母が参加する全国家族父母連合(UNPF)は、新方針によって教育の質の向上など学校が抱えている問題の解決につながるわけでないと指摘。「スカートをはいて通学した男の子がいじめにあうと思いませんか」と反対を唱えました。

 これをきっかけにしたSNS上の論争では、多くの生徒・学生、父母たちが賛同を表明。ある女性は、公立学校に通う女子生徒の多くが公共交通を使っているが、痴漢被害も多いこと、寒い日や雨の日などにはスラックスをはきたいのは当然だとして、今回の措置は「適切で素晴らしい」とコメントしています。


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