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2019年6月3日(月)

都、カジノ候補地ひそかに検討

調査報告書作成 臨海副都心・青海「最適」

図

 東京都港湾局が、東京都内にカジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致候補地とし10ヘクタール以上の未利用地のある都心部の3地区をリストアップして選定評価を行い、臨海副都心青海(あおみ)地区が最適地とし、施設配置や事業採算性などの調査報告書をひそかに作成していたことが2日、本紙の取材で明らかになりました。

 本紙は都にカジノに関する調査報告書の開示請求を行い、港湾局が三菱総研に委託した「臨海副都心における公共空間の一体利用等調査報告書」(A4判143ページ、2015年3月)と、みずほ総研が18年3月に都に提出した「臨海副都心青海地区北側開発に関する調査委託報告書」(A4判60ページ)を入手しました。

 三菱総研の調査報告書は、大規模なMICE(会議場・展示場)の候補地として、築地市場跡地(23ヘクタール)、臨海副都心・青海地区北側(10~30ヘクタール)、品川・田町間(10~13ヘクタール)の3地域を比較検討しています。

 その結果、総合評価で青海地区北側を「◎」とし、築地市場跡地は「△」、品川・田町間は「×」と判定。また、国内他都市とのカジノ立地評価も行い、市場規模は臨海副都心が◎、横浜市・山下埠頭(ふとう)と大阪・夢洲(ゆめしま)は○としています。

 報告書は、臨海副都心青海地区でカジノつきとカジノなしの案を比較検討。MICEの整備・運営は独立採算が困難であるため、「収益のエンジン」としてカジノの必要性を強調しています。

 さらに、世界最大級のMICE・IRのあるシンガポールのマリナベイサンズと同等の国際会議場と展示場の合計床面積が3ヘクタール、カジノ(1・5ヘクタール)を備えたハイグレードホテル3300室、大規模商業施設(13ヘクタール)などを想定。来客数や自動車交通量の予測、施設建設費や事業採算性を試算し、建設費は最大3600億円としています。

 みずほ総研報告書は、三菱総研報告書をもとに、青海地区北側の広場やプロムナード(遊歩道)をMICE施設用地に転用する案を検討。31階建ての国内最高級ホテルの3階に1万5000平方メートルのカジノを併設して、世界最大級のIRを整備、建設費は最大で3527億円とし、事業採算性を試算しています。(岡部裕三)


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