2019年5月29日(水)
公正なルール実現を
井上氏 デジタル課税で指摘
日本共産党の井上哲士議員は28日の参院外交防衛委員会で、IT(情報技術)企業の税逃れに対処する「デジタル課税」の問題について、多国籍企業の利益全体に課税する公正な国際課税ルールを実現するよう迫りました。
グーグルなどの米IT巨大企業は、ネット検索などの無料サービスをネット利用者に提供する一方で、収集した顧客データをもとに広告を配信して巨額の利益を得ています。国境を越えたデータのやりとりで利益をあげるため、「物理的拠点を持たない外国企業には課税しない」という現行の国際課税のルールの下では課税が及びません。経済協力開発機構(OECD)は、2020年までに現行のルールを見直し、新ルールをまとめる方向で合意。2月には三つの新ルール案を発表しました。
井上氏は、米国が提案した利用者情報などの「無形資産」に応じて課税する案は一定の前進ではあるものの、課税対象となるのは多国籍企業の利益の一部にすぎないとの指摘を紹介。資産や従業員などの経済的実態に基づいて課税する「新興国が提案した案に示された考え方を生かし、公正な課税を実現すべきではないか」と求めました。
財務省の住澤整(ひとし)審議官は「各案についての具体的な評価は申し上げられる段階にない」としつつ、「価値が創造された国で課税するという基本的な考え方は重視する」と答弁しました。